義務教育の現場で点字活用

 視覚障害の児童、生徒が義務教育の過程で、盲学校から普通学校で学ぶケースが増えていますが、日本テレソフトの点字プリンター「DOG-Multi(ドッグ-マルチ)」は、その教育の手助けをする機能を持つとして、活用が広がっています。すでに、中学校、高校、大学での利用実績も多く、簡単に使えて、点字だけでなく墨字も同時に印刷されるので、点字を使っての教育がやりやすいという評価を得ています。中学での活用も富山県の大山中学のほか、大阪、福岡など使用実績も多く、大学では視覚障害者の教育を支える貴重な機器として、多数採用されています。

学習を手助け

 こうした大学での学業を支えるのが、日本テレソフトの点字システム。特に点字と墨字を同時に印刷できる点字プリンタ「DOG-Multi」と簡単に点字文書を作成できる点字点訳ソフト「ハートコミュニケーション2001」の組み合わせにより、点字の知識がない人でも簡単に教科書などを作成できます。しかも、点字とともに印刷された墨字で、その内容を確認できるために先生が生徒とのコミュニケーションを簡単に取ることが出来ます。点字というハンデキャップがまったくありません。
 また、小さなことですが、点字と墨字の印刷位置を自由に設定できるために、生徒の手で墨字が隠れることもなく、逐語的に教育することが出来ます。盲学校などでも全ての先生が点字を理解できるわけではないので、大変便利に利用されています。
 多くの学校の場合、ボランティアの方々が教科書や副読本などの資料を点字化してサポートされていますが、パソコンの点字システムの活用により、従来の何倍もの点字印刷物を作成することができ、負担も軽くなります。
 専門的な勉強をする人が増えるにつれて、こうしたサポートがより大切になっています。

多くの学校への導入実績

 大学や高校など、日本テレソフトの点字プリンターは多く導入され、成果をあげています。
 東北福祉大学、北海道大学、筑波大学、東京大学、青山学院大学、日本福祉大学、長野大学、皇學館大学、大阪教育大学、神戸学院大学、四国学院大学、福岡工業大学など。
 東京の都立高等学校への導入例は、野津田高等学校(町田市)、板橋高等学校(板橋区)、桐ヶ丘高等学校(北区) それぞれ、視覚障害者の生徒さんを受け入れ、授業のテキスト、学校の案内を、先生方が点訳ソフトを使い、点字印刷をしています。その他、福井県立大野東高等学校、長野県諏訪清陵高校、大阪府立柴島高等学校他。
 中学校への導入では、、富山県の大山町立上滝中学校、大阪府豊中市の市立中学校、兵庫県尼崎市の市立中学校、神戸市立中学校など。 また、全国の盲学校にも既に多数導入されています。

薬の説明や注意書きを点字で

 同大学病院では薬剤部が中心となり平成13年から点字薬袋の作成を始めています。
 視覚障害者の患者さんに薬を正しく使用してもらうために、点字システムを導入、専用の点字ラベルシートに患者氏名、引き換え券番号、診療課、服用方法、投与日数、1回服用量を点字と墨字で印刷して、袋に添付。点訳作業は正確性を期すために、外部に依頼するシステムを構築しました。
 その結果、視覚障害者の患者さんが服薬の自己管理を行う際に必要な情報提供ができたこと。さらに、予め繁用される薬については、事前に同種のものを作成しておくことで、迅速な対応が可能になり、また、墨字を併記することで患者さんの家族、介護者にも情報を提供でき、理解を広げることが可能になったということです。
 こうした病院などでの採用は、福岡市民病院など広がりを見せており、情報バリアフリーの解消に貢献しています。

日本福祉大学 美浜町キャンパス

 視覚障害者の生徒さんの為に、参考書やテキストをDOG-Pro32Wを使って印刷しています。この点字プリンターは、高速で、両面を同時に印刷するもので、印刷音が大変に静かという特徴もあります。学校では、印刷するページ数が多いので、高速で安定した点字プリンターとして、評価を得ています。この点字印刷物を作成しているのは、学内の点訳サークルや同じキャンパスで勉強している仲間たちで、視覚障害者の生徒さんの為に、自宅のPCやキャンパスで、日夜、点訳作業を行っています。

富山県大山中学校

 北アルプスの山々を望む富山県大山町。美しい自然を満喫できる豊かな町です。この町の中学校に視覚障害の生徒が通うことになり、学校教育を補完するために町を上げてサポートされています。学校と社会福祉協議会にそれぞれ点字プリンタを設置して教科書などを点字化、また、関係の参考書など作成されています。
 取り扱いが簡単ですから、導入後すぐに点字サービスが可能になりました。先生も点字と墨字の同時印刷ですから、教える上で便利です。
 また、父兄や友達が気軽に点訳のお手伝いをすることで、ハンディキャップを感じさせないような養育環境が実現しています。
このほか、大阪市内の中学、東京、群馬、神奈川、長野などの高校でも同様に点字システムによって教育が行われています。

国会に点字システムを導入

日本テレソフトは、東京・永田町の参議院事務局に点字プリンターを納入した。視覚障害を持つ議員向けの国会審議を補助するため、各種の資料をスピーディーに点字にして提供することができる。 同機は、文章を点字に変換し、通常の文字(墨字)とともに自動出力が可能。今後、環境省や警視庁など官公庁を中心に納入を拡大したいとしている。(日刊工業新聞)

 このほど、国会事務局は、㈱日本テレソフトの点字プリンターを導入いたしました。視覚障害者の国会議員の為に、各種の資料を点字化して提供、国会審議の補助をするためで、自動点訳ソフトとの「ハートコミュニケーション2001」と点字と墨字の両用印刷ができる点字プリンターとの組み合わせによって、簡易にスピーディーに点字情報が作成できることになりました。特に、各種の審議資料もすでに、ワープロ、パソコンなどで作成されたテキストデータがあれば、そのまま、自動的に点字が作れるために、点字不慣れな国会事務局員も、特別な教育なしで、点字が作れること、さらに、点字と墨字の同時印刷によって、その内容を確認できることなどが評価されています。
 同機種はこのほか、病院での診療や薬の使用方法などの説明、大型遊園地の案内、航空会社での機内案内など非常に幅広い分野で使われています。

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